分析と妄想

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タロット知識と読書と生活改善みたいな

0 愚者 :タロットカード 大アルカナの女オタ的解釈

タロットの時間軸

タロットの絵柄にはいくつかのお約束がある。
そのひとつに「左から右へ時間が流れる」というものがある。文字が左から右に流れるからかもしれないし、もっと生理的な問題かもしれない。舞台も左が上手(かみて)、右が下手(しもて)だ。

さて、その前提をふまえて「愚者」を見てみよう。

 

 

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彼が愚者である根拠

めっちゃ左に踏み出してる。
空を見上げて、さあ旅立ちだ!といわんばかりの希望に満ちたポーズと表情、なのに左に行ってる。向かうべき太陽は背中だ。おまけに足元の崖に気づいていない。やばい。とても愚者。
彼は希望だけを見上げており、ちいさなつつみが全財産だ。仮面ライダーオーズの主人公、エイジのように明日のパンツしか入っていないのかもしれない。

けれどバラを一輪、指先でつまんで持っている。握りしめたりせず荷物の中につっこむんでなく、丁重に持っている。それどころではないだろこの愚者が、と取るか、そういう心こそが大事だと思うか、このバラを届ける旅なのか、あるいは食うのかな?とか、どうだろうか。このバラはどんな意味に見えただろうか。

(なおこのバラは薔薇の原種で白い花びらが五枚のもの。肉体を示すともされており、他のカードにもしばしば登場する)(身一つ、ということの暗示の強化かもしれない)

よく見ると服も高そうな布地だし、葉っぱのかんむりと赤い羽かざりが頭にある。彼は異世界の王子であるという説もあるそうだ。異世界転生ものだ(?)。

実は重要、犬

でもって犬がいる。この犬がまたタロット占いのふしぎなところで、占い時の自分の心境や質問内容によって、愚者を止めようとして吠えてくれてるようにも見えるし、何も考えずはしゃいでついていっているようにも見えるし、けしかけているようにも見えるし、追い込んでいるようにも見える。タロットはこのように、同じカードでも別の状況に読めてくるのだ。レオくんといるときのクラウスさんはスパダリだけどスティーブンさんといるときのクラウスさんは総受けだよな、みたいな話である。異論は認める。 

ゼロは始まってもいないしなんにでもなれる

ほぼ身一つで、夢とか野心とかそういうものをめざして旅立つ一歩目が始まりも始まり、「愚者」のカード。旅立ちでありゼロでありゲームの取説。持っている棒は荷物を運ぶのにもいいし、旅の中で棒が必要なこともあるだろう。古典TRPGにおいて2フィートの棒というものはダンジョン探索の必須アイテムだった。沼や穴の深さをはかったり、釣り竿にしたり、しかけを動かしたり。


開始ではあるけど「始まってはいない」という意味でもある。明確なスタートを示すのは次に紹介する「魔術師」だ。

たとえばの解釈例

では以上をふまえて、たとえば「いつも電車で見かけるあの人に告白したい!」という相談内容で、このカードが出たらあなたはどのように解釈するだろうか?

愚者、という言葉だけで「いやいや無理でしょばーかばーか」かもしれない。
「まだ二人の関係は始まってもいない、から、あんまよくないんでは(足元の崖からまっさかさま)」という解釈になるかも。
「とりあえず告白してみたらいいかんじに動き出すかもしれない、まずは行動、当たって砕けよう!」かもしれない。
「ぜんぜん見込みがないのに無責任な友人にけしかけられてその気になってない?(空と犬のモチーフからして)」とか「彼に勝手なイメージ持ってるだけじゃないか(太陽が照っているのになにもないところを見上げている)」とか。

どれも愚者の解釈として大きくずれてはいないつもりだし、もっと他のイメージを持った人もいただろう。

まとめと予告

実際どのようなイメージをカードから受け取って、そして伝えるかは相談者の前後の情報や雰囲気で判断する。あるいは最初から「この質問の回答はカード3枚で答えを得る」のように決めておいて他のカードと合わせて判断したりする。
一枚でも状況を読むことはできるが、二枚以上だとシーンがストーリーになり、カードからの回答がストーリーになってくる。

この複数枚展開のことを「スプレッド」というのだけど、とりあえず次の「魔術師」の解説へ。