分析と妄想

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タロット知識と読書と生活改善みたいな

教科書にしたい本は色で選べばだいたい間違いない

友人にやたら「黒い本がいい」と薦められる。
黒い本は心理学であったり、PCノウハウであったり、ビジネスマナーであったりする。

 

黒い本を選べ、というのは大味に見えて実は真理のような気もする。
というのも、デザイナーはその本の性質に合わせた色を選択して装丁するので、色合いがそのままイメージや作風を示しているというのはふつうに普遍的だ。表紙がイラストであっても、タイトルのフォントを大きく太めにしてそのイメージに寄せる傾向がある。

 

たとえば松岡修造がテニスプレイヤーでなく料理人な世界だったとする。だったとする。
で、修造が初のレシピ本を発行することになる。デザイナーは修造の原稿、写真、レシピを一通り見るだろう。良い制作会社ならば著者本人に会えるかもしれない。
で、デザイナー100人中98人くらいは「この人の本の装丁なら赤だな」と確信するだろう。赤で太めのゴシック体、文字は大きく、全開笑顔の写真がメインだ。

 

そうしてできあがった本は書店で平積みされ、「勢いでたのしく料理したい」と潜在的に考えているような人々が手にとり、修造のテンション高い文章にもファンになる。彼のテンションが気に入らないとか、本格調理や栄養重視のレシピを探している人は手に取らないだろう。フィルタリングが行われることになるわけだ。

 

人間が色に対して持つイメージは原始時代の記憶によるものだという。

明るい黄緑が安全を想起させる色だというのは、若い葉っぱがたくさん出ているような場所は水が多く獣がいない場所だから。同じ緑でも深い緑は針葉樹や常緑樹の、深い森を表す。三井住友銀行などは若葉から常緑樹のグラデーションとなっている。青空に安心感があるのは広い視界を確保されていて来襲に備えやすいから。銀行、技術系の本に多い青だ。同じ青でも、黄色の少し入った明るい青、ターコイズブルーのような色は穏やかで過ごしやすい水面の色。この色は特に女性が好みやすいらしく、スパ系エステ広告でよく見るしティファニーの青もこれである。

赤は炎にしろ血液にしろ、緊急事態。人間の知覚でもとくに認識度を上げてあるようで、現代人でも赤を見ると何かやらなければいけないような気になるとかならないとか。

で、黒い表紙の本である。黒は自然界に存在しない色で、都会的、モダンな印象、人間が作り込んだものを想起させたい際に使う。自然物への反逆である。

なるほど、同じ心理本でも黒表紙なら、建前より本質とか、要は実践できる、効果のあるやり方とか、そういうアプローチのものが多い。実践的、即効性、といえよう。逆に白い表紙の心理本は人を信じようとか褒めてあげようとかふんわりしたきれいごとをトーンとして揃えている。まあどっちも用いるテクニックはつきつめれば同じで、言い方なのだけど。つまり、その、受け入れやすい言い方かどうかということだ。黒い本はすぐにできる方法を綺麗事抜きで示し、白い本はふわふわしたきれいごとで包んでくれる。どちらがいい悪いではなくなにを求めているかという話。

 

なお中高年が気持ちよくなれる系の本は蛍光ピンクタイトルが多いな、というのが最近の気づきである。書店で中年男性に目立つのかもしれない。

 

 

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これはダイソーにあったので買ってみた黒い心理本。ふつうによかった。100円だとおもうと肩の力抜いて読めるし情報量がちょうどいい。アドラーもあったから買っとけばよかった