分析と妄想

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タロット知識と読書と生活改善みたいな

二次創作であんなに輝いていたのに商業になったとたんぱっとしなくなることについて

小説でも漫画でも見受けられるし、きっと音楽もそういうところある。

どんなものでも「その人の思い入れやよさ」というものがあって、それをうまく誘導して導いてあげるのがよい編集者なのだろう。よくない編集者は、作り変えたり、壊して作り直させようとしたり、お仕着せたりする。

 

小説でも漫画でも音楽でもウェブ制作でも、素人の横やりがはいったものはろくなことにならない。映画もおそらくそういうかんじ。

 

二次創作で高い胸キュンものを連発していた作家さんが、商業になったとたんぱっとしなくなるのはよく見る現象だ。二次であんなにおもしろかったのに…え?なにこれ…?という。

たぶん大きくわけると二つの理由があって、「よっしゃこの敏腕編集家の俺様がこのド素人を売れセンに育ててあげるぞフンガー」してめちゃくちゃに口を出しまくる、そしてお金をもらう側であり世慣れていない作家側が言われるままになって結局担当の顔色だけを伺ったよくわからないものができてしまう、というパターン。初期の藍本松とかそうだったとおもうし、尾田栄一郎ですら「ボクのオモシロアイデアでワンピースをもっとおもしろく」という編集には辟易しているような言動をどこかでしていたりいなかったりする。

最近のウェブ発漫画はすでに読者評価を見える形でうけていることが多いから、いいなりにならずにプレーンなままで単行本化までいっているパターンも多いようにみうけられる。それともいいなりになってつぶれてしまった人は見えてないだけなのかな。

少し横道にそれるが、「こぐまのケーキ屋さん」のカメントツ氏が書かれたこの漫画が好きでたまに読み返す。本物の編集と出会えた稀有な漫画家の話だと思う。

omocoro.jp

どうでもいいけどオモコロって記事ディレクトリが「kiji」なんだな…

 

で、もう一つの理由が、「二次創作ではキャラクターやその背景、状況をある程度共有している前提で感情の一部や行間を表現した作品が多く、それが上手かったものの、ゼロからキャラクターや背景、状況を提示しなおそうとしてそこで息切れして得意分野の感情のゆらぎをうまく見せられない/あるいは見せる前に終わってしまう」パターンである。

絵も上手い、着想もなんというか安易な恋愛に寄せずに美しいモチーフと物語だったとおもう。でも、つまらなかった。読みかえしたいと思えなかった。
箱作り、舞台づくりをやりこむことに集中して、それで結局壁サークル時代にあがめられていた力をふるうことができなかったのではないだろうか。
8年前の本だし今も作家業をやられているので、現在はどうだろうか。
 
逆に「うめえな」と思ったのが入江亜希である。
 

彼女は 幻水やサモンナイトの二次を書いていたのを見たことがあるし、おそらくコミティアを主戦場としていたと思われる。

商業一作目であるこの「群青学舎」は、1話4~8、長くても1程度という実に同人誌ライクなページ数でさまざまなキャラクターの人生の「ごく一部」を切り取ってそのシーン、転換点をしめすといったようなとても同人誌的な作品群である。おそらく最も描きなれたページ数で、少しずつ前後編や連作にしていくことで、そして手持ちの弾を一通りぶんなげてみることで、商業で描くということに慣れていったのだと思われる。作風からもうかがえる、頭の良い人だと感じる。

現在は乱と灰色の世界を経て、もっと長めのスパンで展開する長編も連載中である。

 

二次で鍛えられ、商業で一次のみに向かい合うときに使う筋力とエネルギーを思う。

膨大な精神力と企画力、忍耐力が必要なのだろうなあと思う。作者自身が死ぬほど面白いはずだと思っていても担当とうまく話せないばかりに曲げられてしまうこともあるだろうし、書いても書いても認められないということもあるだろうし、渾身のアイデアを否定されることは人格そのものを否定されたような気にもなってしまうだろう。

 

で、これらと真逆に、ある意味わりきってるなーと思われる流れがある。

最近、私が高校時代にめっちゃ読んでたBL作家や少女漫画家がハーレクインのコミカライズを手掛けていることが多いのである。

おそらく彼女らは作画力や構成力は高く安定し、衰えてはいないもののゼロから好いた惚れたの企画をたてたり育児漫画やエッセイに流れたりするよりは原作もらって作画したいわーというところではないかな…と推測している。女性作家のヴァルハラはハーレクインにあった。レディコミの読み手の年齢層とも一致するしな。

 

楠桂までいたのはおそれいった、しかもけっこうある。 しかし最近の少年誌エロコメものではどうにも浮いていたしいい居場所なのかもしれない、あれほどに発想力のすさまじい作家だっただけにいろいろ考える。

 

なんでこんなことつらつら書いてるかといえば私自身が一次創作のための筋力をまったく育てることができないからである。二次に物足りなさを感じて創作…創作なあ…と思いつつジャンルやなんやが定まらない。とりあえず手芸やDIYに精をだしているものの文章をあれこれひねりたい気持ちはある。

もうしばらくアイデア発想法的な本でも探しつつ考えてみようと思う。